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100兆円企業を本気で作ろうとしている起業家、1億円をエンジェル投資家からという異例の調達をした株式会社ZUU 代表取締役 冨田氏インタビュー【前編】


今回は、金融×ITで世界を穫る、株式会社ZUUの代表取締役冨田氏にインタビューしてきました。彼は大学時代の同期であり大学時代から起業している当時にしては珍しいタイプの人間だったんですが、プライベートバンクの世界を経て再び起業し本気で世界を穫りにいっている圧倒的なビジョンを持った起業家。つい先日、エンジェル投資家から1億円という、日本では異例の資金調達をした冨田氏。金融・エグゼクティブ層向けなので普段はそれはもうパリッとした喋り方をしている冨田氏ですが、インタビューでは大学時代と変わらない口調で喋って頂きましたので、(雰囲気が伝わると思ったので。)そのままの口調で掲載します。では、どうぞ!

ー 今日は冨田さんの突き抜けてるビジョンと、あとは冨田さんのやってるコンテンツメディアを作って行くことって全てのスタートアップが参考にした方が良いと思っていて。なので、そういった部分をスタートアップに向けて書かせてもらえればと思ってます、では宜しくお願いします。では、最初に起業するに至った経緯を教えてくれる?

なんだろうね、起業するのは当然だったみたいな感じだったんだよね、郡もそうだったけど俺も大学4年の時からビジネスやってたし。そもそも大学時代から起業してるしメンタル的にはもともと起業家だったって感じだね。

当時やってたのはソーシャルマーケティングっていう分野で、当時Yahooのメーリングリストってものすごく流行ったんだけど、mixiコミュニティとかも当時すごく発展していて無料でいろんなものが自由に出来ていたので、無料のコミュニティを作って集客して、Yahooのメーリングリストに誘導していた。Yahooのメーリングリストでは商業目的のメールもいくらでも流せたので、そこでいろんな告知を流していた。

東大のメーリングリスト、東工大のメーリングリスト、一橋大のメーリングリスト、みたいな感じでそれぞれターゲティング出来るようにして。僕らの世代じゃなくて一つ下の世代に対して。就職活動の時にめちゃくちゃ価値の高い媒体になったのね。メール流すのに1人3000円〜4000円もらえるとかってういう方式で企業に課金して。数千人いるっていうメーリングリストはなかったけど、数百人単位のメーリングリストはたくさんあったので、しかもハイエンドな大学、最低でもMARCHで作っていたので。非常の効果の高いメールマーケティングを出してたんだよね。

で、あとは父親ももともと経営者で、祖父も自営業だったからもしかしたらそういう昔からの環境もあったのかもしれない。

ー なるほど。今やってる方向に行こうと思ったのはどういうところから?

何でこのモデルをやろうと思ったか、とかここをブチ壊そうと思ったかと言うのは、その後の金融業界の経験だな。もとを正すと金融じゃなくても良かったけど、金融業界の経験の中で一番見た事というのは非効率だってこと。これまで、今でもどういうことが起こっているかと言うと販売側が優位な取引が行われている。要は、B(企業側)がC(顧客)に対していろんな提案をするんだけれどもCがほとんど理解出来ないままBから高い手数料をチャージされているという状況。CはBをあまり選べる体制になっていないというか、そもそもBを探せない。商品を提案されても理解出来ないまま買って。だから高い手数料、あまり儲からないものを薦められている。非常に非効率。

そもそも世の中の多くのものがオープン&フェアになっているにもかかわらず、金融業界って何でこんなに複雑で洗練されていないんだろうということを考えてきて、このモデル自体をぶっ壊してしまえば金融業界って抜本的に良くなるってことが分かったんで今のモデルをやってる。例えば、商品を出している会社があって、消費者に提供する。これはECのモデル。でも、金融業界の場合どうなってるかというと多くの消費者は対面のアドバイスをする人、例えば銀行の人とか証券の人とか経由で商品を買っている。

なんでこうなってるんだろう?ダイレクトで買えるでしょ、いろんなものが。保険もネットで買える。証券もネット証券で買える。ECが成り立つ前提って何かと言うと、自分自身で理解し、どれが良いかと比較し、判断し、実行するという全てが成り立たなければいけない。実行するところはいいとしても、その前の判断というのが金融リテラシーという大きな壁があるために出来ない。例えばA、B、C、Dという商品が並べられてもどれが一番良い商品なのかが分からない。それを理解するためのリテラシーがなければいけないから。だから対面のやり方が成り立ってて、今でも対面が大きいところが儲かってるっていう構図になってる。

ー でもさ、それって対面でも結講理解出来ないよね?

そう。対面でも理解出来てない。というか、対面でも理解させようとしてないというところの方が大きいかもしれない。で、対面の人たちが顧客に一番良いことをしているかというとそうはしてなくて、一番手数料が高いものを提案している。なぜならその人が分からないから。

一方で、俺が見て来た世界、プライベートバンクの世界っていうのは上場企業のオーナーさんを担当する世界なわけなんだけれども、この人たちはどうなってるかというと、この人たちも対面の営業マン使ってるんだけども、何が違うかと言うと、対面で営業に来るプライベートバンカーがたくさんついている。いろんな会社の人が。証券会社もいればメガバンクもいれば外資系のプライベートバンカーも。そうすると何が起こるかというと競争が起こる。競争が起こると言う事は何が起こるかと言うと、各人の提案レベルを上げるわけよ。かつ、手数料を下げるようになるわけよ。例えば債券を提案する時に手数料を下げなきゃいけない。何故ならみんな下げてくるから。コンペが起きるということは、競合が起こるって言うことはそういうことで、顧客にとって良い物を提案するようになる。提案力についても手数料についても。何故ならそうしないと淘汰してしまうから。

じゃあ、そういう上の業界、プライベートバンクが上の領域だけに限られているのは何でかと言うと優秀な人たちが一番上の富裕層にぶつけるのが正しい戦略だから。でも、インターネットを使ってもっと下の領域にも広げて行けるのではないかと思っていて、もっと一般にも同じ競争が起こればアドバイスをする人が良い提案をしてくれるんじゃなってことで、アドバイスをする人たちと、アドバイスをされる人たちのエコシステムを作りたい。リテール金融っていう個人の資産に関するところに関して。

そこのマーケットがどれくらいあるかというと、100兆円くらい。不動産、銀行、証券、保険、信託、債券、とか全部合わせてなんだけどその2〜3割くらいはリテールと言われる個人の資産のところで落ちてる金額なのね。20兆〜30兆の手数料が動いているのね。

ー え、投資金額じゃなくて手数料で20兆〜30兆もあるの?!

そう。動いてる額じゃなくて手数料。たとえば郡が投資信託を100万円くらい買ったとしたら手数料3%くらい取られるんだけど。そういった手数料収入が積み重なってそれくらい大きい手数料収入になってる。つまり、その分個人の資産が失われている。じゃあ、これを効率化すればいいじゃん、と。で、これは日本の話でアメリカだったら3倍〜5倍のマーケット。そもそも人口が3倍。個人金融資産が3倍。日本より金融商品に対してアクティブなので3〜5倍くらいの市場規模がある。アメリカでも同じく非効率が起こっていて。なので、効率的にしてあげればいいじゃん、と。

ー なるほど、アメリカもやってやろうと。

24年後にZUUは、時価総額100兆円っていう目標を達成しなければいけないと思っているからね、米国、特にウォール・ストリートをぶっ壊すことが必要だと思ってる。金融っていうイノベーションが起きていない領域だからこそ切り開いて行く土地もたくさんあるし、そこを道路作って補整してあげる必要があるマーケットだと思っているので。

ー で、下の方の層まで下げているためにZUU onlineをやっていると。

まず、クローズドでやっているZUU Advisersっていうプラットフォームをやり始めていて。で、世の中みんなプラットフォーム、プラットフォームって言っているんだけど、多くの企業が失敗するのは、Bだけ囲うのもCだけ囲うのもめちゃくちゃ大変なのに、両方囲うのはめちゃくちゃ大変だからなのね。もちろんそれは最初から分かってたからどうやって囲うか。プラットフォームを作る前に先にBとCを囲わなければいけないよねっていう順序で考えたのね。

多くの人たちはプラットフォーム作って「ハイ、どーぞ!」ってやるんだけどそれは多くの場合うまくいかない。あの楽天ですら、最初の1年とか会員がほとんどいなかったと言われていて。それは何でかっていうとBもCもいないから。BのショップもいないからCの顧客が来ない。あの楽天ですら最初ものすごく苦労した。プラットフォームビジネスはそこが一番難しいし、キモだ。

あとから分かった事なんだけど、C向けをやり続けていたら、実はその中にBがどんどん混ざって来ていた。実は、俺たちが作っているZUU onlineっていうコンテンツ型メディアの読者は実は2割くらいは金融系の人たちなのね。Cの人たちにとっては少し読み応えのある、そんなに簡単じゃないコンテンツが中心になっていて、敢えてそのレベルを保っていてるのね。俺たちはあんまりお金を持っていない人たちに対して囲い込むつもりは無くて、これが読み解けないんだったらお客さんじゃないです、というスタンスで割り切って上の方にコンテンツの舵を切ってるのね。そのCの人たちに読み応えのあるコンテンツだったから、っていうのは結果論だけどBの人たちの情報感度の高い、Cの人たちが読むような金融関連のコンテンツを読みたいという人たちも集まって来た。

なので今のZUU onlineに関しては、CもBも入っている状態。それに対して、Bに対して有料会員制なんだけどそういうメディアをスタートするんだけど、C向けに培って来たコンテンツを量産する仕組み。クラウド使ったりリクルーティングしたりして現在500人くらいいる専門家かつライティング出来る人がいるのでこの人たちに対して、社内で企画さえすればコンテンツがあがる仕組みになっている。月間500〜600本くらいあがるようになってきていて来月・再来月には1000本体制くらいになる。そういったお金に関するストック型のノウハウが集まるZUU onlineの仕組みが出来たので、これからB向けも強化してBを囲い込んでいく。

一方で、実は日経マネーで連載が始まるんだけど、自分で執筆してるんだけど、講演したりとか延べ年間2000人くらいに話していて、それは何のためにやっているかというとB向けにリーチしたいと。B向けに露出が出来るメディアとか講演とかをやってきて。

ー なるほど、それでBもCも囲って来たと。もうプラットフォームも作って。

とりあえずまだまだ最低限のもので、どんな動きになるかを見ている段階だけどね。

ー コンテンツを作る方も、相当作ってると思うだけどどういう体制でやってるの?

社内が企画とか編集のところでトータル10名+アルバイトとかインターンとか。書くのは全部外部だから、そのマネージメント。今10個メディアがあって、うち2個は英語なんだけどそれぞれにメディア担当がいて、プラス全体の意思決定をしている2人がいて。企画とかには少し俺も関わってるけど、メディアは既に俺の手からほぼ離れている状態。今は俺の方は大手ニュースメディアとの提携とかを進めている。コレは結講大きいアライアンスで。ウチのコンテンツ力は買ってもらってて。ウチはコンテンツ提供したり送客したり、集客してもらったりして、そしてさらにBのスーパープレイヤーたちをもっとウチが囲い込める。そうするとBの方は一気に囲い込める。

ウチは営業力もあって、コンテンツをお金に換えることも出来ている。講演とか研修とかネイティブアド広告も既に売上に出来ていて、クライアント見ても良い会社さんにたくさん採用していただいている。

基本的にはたどり着きたい場所があってそこに走って行くのに、俺が基本的に大嫌いな考え方は「ハイ調達しました、足元の収益無視して、ユーザーいます」みたいな。そういうところに限ってだいたいユーザーの価値が低いところだったりする。そんなのどう考えてもユーザー集まりやすいでしょ、みたいな。

そういうユーザーだからその前に課金しておかないといけない。課金して検証しないといけない。課金するとすぐユーザーなんか離れて行っちゃうから、課金するのって勇気なのね。そういうことが出来ないまま走って行く事自体が、俺はどうなの?って思うタイプなのね。だから収益をちゃんと稼ぎながら走ることが重要だと思ってる。調達しようがなんだろうが。

WEBサービスなりスマホアプリなり何かしらあった時に、そこに価値がある証明って誰かがお金を払うことだと思ってるのでそれを検証しないことには、色んなお金の取り方があると思うんだけど、そこにあるコミュニティに価値があるからお金を払ってくれるわけで、それを検証しながら走るっていうのが当然だと思っている。

どういうコースを選択するかっていう時に、ちゃんとその収益が得られながら走るコースを選択するべきだと思っているし、今の俺らの状態っていうのはそれがちゃんと両立で来ている状態。そこの延長線上にちゃんとプラットフォームが成り立つだろうと思っている。

ー なるほど。そんだけ収益が現時点で出ていると思うんですよ、出てるよね?(笑)その中1億円調達するっていうのはどういう意味があるの?しかもエンジェルからあの額って何なの?

まずエンジェルだけから1億円って結講珍しいと思ってエンジェルだけにしたかったんだよね。自分自身のキャリアもプライベートバンカー出身だし。目的としては、もちろんアクセル踏むだけだよね。前にまっすぐ走るか分からない自動車を作ってアクセル踏んでもスピード上げたらスピンしちゃうんだけど、「まっすぐ走るなこの車」、と分かったのでじゃあアクセル踏もうと。アクセル踏むなら、長い距離走るならガソリンいるでしょ、みたいな話なのかなと。

ー 調達しなくてもそんだけ収益力あったらガソリン生産し続けられるじゃん?

いやいや、違うよ。時間をお金で買うでしょ。集客力はあるんだけど、もっともっとスピード出したいのよ。

ー なるほど、分かった。俺の想像を超えたスピードを出したいんだな

だってさ、俺らは24年後に時価総額100兆円の企業を作りたいんで、そのためには当然あと2年後には上場していなきゃいけないし、5年後くらいには5000億円くらいないといけないし、10年後には2兆円とか3兆円とかってペースで上がって行かなきゃいけない。

ー ネイティブアドやってる場合じゃない、と。

ていう話だな。インバウンドっていう意味ではやっていくんだけど。ただ、ちゃんとそういうベースがあることでもし一回スピードダウンすれば稼げる状態があるかどうかっていうのは重要だと思っていて。

ー 最悪のラインとしてってことね。

なんか、売上ほとんど出てないのに調達だけガンガンやって、次は時価総額50億円で調達するんです、みたいな。キャッシュフロー回ってません、でも調達します、面白いビジネスモデルです、オフィス綺麗なとこ借ります、キャッシュフローガンガン流れて行きます、みたいなのは違うかなと。

ー よくあるし、ほとんどそうだけどね。

それは違うでしょ、みたいな。まあ、うまくいくケースもあるけどね。ほとんどはうまくいかない。でも、少なくともウチは違うと思ってる。

ー 今はプラットフォーム作ってると思うんだけど、これはZUUと冨田にとってどういう段階なの?

プロダクトの観点からすると、マッチングビジネスっていうのは結講強いインセンティブを与えないとそんなに簡単にマッチングしない。パソコン壊れましたでも絶対パソコン必要です、とか、あの本絶対買いたいとか、そういう話よりも僕たちがやってることは重いことなので、そこのインセンティブを与えるプロダクトを導入して、エコシステムのベースが完成すると思ってる。

ー なるほど、いつくらいから今のプラットフォームってクローズドじゃなくなるの?上記の某大手メディアとの提携くらいから?

可能性はあるね。でもそのあたりはもう少しずつ段階を踏んでユーザーを流し込みつつ、動きを見てから決めようと思っている。いつプラットフォームに舵を切るかというのは、中途半端な状態で一回全部のユーザーを入れてしまって離脱されてしまったら、そんなチャンスはもう来ないと思うので。

インタビュー後編に続く:



スタートアップはオウンドメディアをやるべき、当たり前のことを当たり前にやるべき!:1億円をエンジェル投資家からという異例の調達をした株式会社ZUU 代表取締役 冨田氏インタビュー【後編】

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